北海道旅行(天塩中川編)

利尻富士登山を終え(利尻編はこちら)稚内で疲れを癒した翌日、旅行の目的地でもある天塩中川へ向け宿泊地最寄り駅の「南稚内駅」を出発。この出発駅については実は一騒動があったりなかったり…。いやたわいもないことなんですが。最寄り駅の「南稚内駅」という名前からして想像がつくと思いますが、当然「稚内駅」もあります。札幌方面から来たら、南稚内の1つ先が稚内。いわゆる、「日本最北の駅」です。そこに我らの交通移動考案の頭脳、四国サイクリングでは自由席に乗せるという暴挙をしでかし、飛騨高山旅行ではちゃっかり指定席を確保した先輩M(将来JR)がいたわけです。ぼそっと言ったのを聞き逃しませんでした。「なんで稚内から行かないんだよ…。」……行くわけないじゃん。稚内から乗るために歩くつもりかよ、何時起きだよ、ねみぃーよ。そんな(脳内)騒動があったりなかったり。ね、たわいもないでしょ?


ひたすら単線を南下すること約2時間。

目的地の中川町へ到着。近くを天塩川が流れていて、きれいなところですよ。雨さえ降ってなければね。この日も雨でした(泣)駅からは徒歩で天塩中川での活動拠点、「エコミュージアムセンター」へ。もともと中学校だったのを体育館は自然誌博物館に、教室などは講義室・実験室・宿泊部屋などに改装したもの。開館したばかりで、中もすごく綺麗でした。実験室はまんま「理科室」だし(笑)


さて、ついて早速講義に入ります。この中川には、北海道大学所有の原生林があるんですが、一通りの話を聞いた後その原生林へ。雨の降る中でしたが、数時間かけて原生林の中を探検してきました。シカやクマに出くわすことはなかったですけど、道を横切るように川が流れていたり(余計な人工物は極力入れないため)、護岸工事もすべて石によるものだったり、環境優先ということが見てとれました。また、倒木更新という言葉も初めて聞きました。この地の植物(特にエゾマツなどの針葉樹ですが)は、種子がそのまま土に落ちると成長しないらしく(その他の植物によって日光が遮られるため)、成長するものは倒れた木の上に落ちた種子だけなんだそうです。そうすれば、日光が遮られることも少ないし、倒木から栄養ももらえるそうで。そのまま成長すると、種子は当然根を張りはじめますが、年月が経つと倒木のほうが朽ちていってしまうため、「根上り」という根の中心部分が空洞になったものが現れます。そして今度は成長したその木が倒れ、その上に種子が落ちてくるといった連鎖が生まれています。適応能力というんでしょうか、すごいですね。


翌日になると、内容はもっと豊富。エコミュージアムセンター近くを流れる、天塩川の支流で水質調査や化石の発掘などなどのフィールドワークを実施。夜には実験室の道具を使って、水生昆虫などから水質を見てみました。あと化石の発掘については、隣接する自然詩博物館にも展示されてますが、アンモナイトとかが出ます。北海道の中心線はもともと海だったために、そうした化石は割りと出てくるそうです。うちらのときにも化石は出ましたが、たいしたものではありませんでした。


さらには日を改めて、天塩川をカヌーで川下り。けして遊びではありません。こちらもれっきとした調査です。天塩川では当時(現在はわかりませんが)、産業排水がそのまま流れ込んでいました。カヌーの上から見ても、洗剤等によるものなのか、泡が大量に出ていたりする箇所もちらほら。まぁ、普通に楽しかったですけどね。川下りなんて初めてだし。沈没のさせあいでした。


また、町役場をたずね、町としての環境対策についてインタビュー。中川町ではゴミの分類をしていなく(その後始まるというお話でした)、ダイオキシンの問題や、酸性雪の問題、いろいろと聞くことができました。


帰る前日には、町のお祭にも参加させていただき、ソーラン節を地元の方々と一緒に踊ってきました。その直前には、ジンギスカンのバーベキューもご馳走になったり。


最終日は中川町の町長に見送られ、佐久駅を出発。青春18切符を駆使して、新千歳から羽田へと帰りました。


ワタクシたちの旅行(ときどきキャンプ的なものが入りますが)は、メンバーの「何したい」「どこ行きたい」からスタートします。ある程度の目的と目標が決まったところで、全国に広がるネットワークを駆使し現地での宿泊場所、見るべき場所、オススメの施設等々をご教示いただきます。もちろん、その際には我々の旅行の趣旨を説明しご協力を願うわけですが、時には今回のように、地元のお祭に参加しないかという声をかけていただけることもあるわけです。基本的にこうした旅行は、そういった現地の方々のご協力がなければ実現しないようなものがほとんどです。だからこそ、我々メンバーはご協力いただいた方々への「感謝」の気持ちを忘れないように、次の旅へと進んでいくのです。


ただ、この後大学受験が入るので、活動はお休みがちになるんですけどね。受験後の春にはまた参加してましたが。